下水道と歌三線と横笛と

東北地方で巨大地震が発生し、
抗いがたい津波と原発事故を引き起こして４年が経った。

もう４年。でも、復興に至るまでにはまだまだ。
一年前建設中だった復興住宅でさえ、
未だ完成してなかったそうだ。


３月１１日、、、は昨日になってしまったが、
１４時４６分に黙とうしようと思っていたのに、
急な来客があり、すっかり頭から抜けてしまった。


そして、風化している、と思った。情けないことだが。

階段で昇り降りしていた人も、エレベータを使うようになった。
非常食を持ち歩いていた人も、
空腹を満たすためにすぐ食べてしまうようになった。

被災地の方でさえ、その時の恐怖を忘れてしまいそうになる、
と言っていた。

学習能力の乏しい私ごときの意識が風化していくのも
仕方ないことかもしれない。


ただ、私には毎月、福島で踏ん張っている人たちから原稿が届く。
悩みながらも前向きに生きている状況などがつづられている。
なかにはお世辞にも上手とは言えない文章もあるが、
この前は、それゆえに思いがダイレクトに伝わってきて、
悔しい悲しいやら、複雑な思いで胸がいっぱいになった。


人間、ずっと恐怖を抱えたままでは耐えられず、
忘却も、生きるためには必要なのかもしれない。

それでも、「明日が必ずあるということは奇跡」
という言葉をときどき思い出し、風化しないよう生きていきたい。